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カフェを開くことは絶対にオススメしません。レコールバンタンでも講師を務める元カフェオーナーのブログ。

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味の追求は行き詰まりを生む。

 

飲食店にとって最も大切なことはなんでしょうか?

味、接客、価格?

ちょっと考えてみましょう。

 

飲食店は「味」ではない。

本日、こちらのレッスンを、ある社長様にご受講いただきました。

 

www.street-academy.com

 

他業種の会社をされているのですが、新規事業で喫茶店を開きたいとのこと。

社内に専門の方がおられないので、社長自らご参加いただいたというわけです。

本業の方では事業を全国展開されているだけに、お話ししているだけで、私の方が色々と勉強をさせていただきました。

その社長がおっしゃるに、「飲食店は味ではないと思う」と。

お店商売をやるにあたっては、第一に立地。人が来ないと始まらない。

次に、ウリとなる人気メニューをつくる。そうすれば、繁盛する!・・と。

さすが社長、おっしゃる通りでございます。

 

「味の追求」は落とし穴。

「美味しいものを出せば繁盛する」はもはや幻想だと言われています。

僕もカフェオーナー時代は、かなり「味の追求」をしていました。

美味しいものを提供している自信がありましたし、それを伝えたかった。

だから、それがお客様に伝わった時は嬉しかったし、逆に伝わっていない時は悲しかった。

しかし、今思えば、お客様全員に「美味しい」と納得していただくのはそもそも無理な話。

そういうコアなお客様だけをターゲットにしてしまうと、商売としてはとても厳しい。

 

「美味しい」は、「楽しい」である。

カフェでは、友達とゆっくりおしゃべりをしたり、読書をしたり、料理の写真を撮ってSNSに投稿したり。お客様それぞれの楽しみ方があるものだと思います。

なので、全ての方が料理を「味わいに」来ているわけではない。

友達との時間、おひとりの時間を「楽しみに」来ているのです。

帰り際にお客様が「美味しかった!」と言ってくださるのは、「このお店での時間が楽しかった!」と言ってくださっているということ。楽しいからこそ、美味しく感じるのです。

「美味しい」は「楽しい」のほんの一部。「美味しい」だけを追求せず、「楽しい」を追求するお店でありたいものです。